オーディオルームやホームシアターの防音工事

大音量でオーディオを楽しんだり、映画館のような迫力で映画を観賞したい場合などは、室外に漏れる音を出来る限り小さくすることが求められます。快適な音響空間を手に入れるためには、音を遮断することが最も重要な要素となります。目標の遮音性能を実現するには、最適な構造や工法で防音工事を行うことが必要です。

必要な遮音性能

音楽好きな方であれば、誰にも気兼ねすることなく大音量で音楽を楽しめるのが理想なのではないでしょうか。音楽の平均的な再生音は80デシベル程で、最大値は90デシベルと考えられます。会話やテレビの音は50~60デシベル程ですので、大音量でステレオ音楽を流すには、窓やドアといった開口部の防音対策はもちろんですが、より高い遮音性能を求めるなら床や壁、天井も浮二重遮音構造にするのが理想的です。

音の伝わり方には空気伝搬と固体伝搬があります。固体伝搬は壁や床などから音が伝わることを指します。音の発生源と外部との間に壁があれば音を遮断することが可能となります。このときの遮音性能は「D値」で評価します。このD値は、数値が大きいほど遮音性能が高くなります。例えば、ピアノの音が100デシベルで、隣室に聞こえる音の大きさが50デシベルだとした場合、遮音性能は100デシベル-50デシベルで「D-50」と表します。ピアノルームならD-50~D-55、ドラム室のように低音や振動も発生する部屋ではD-65~D-70程度の遮音性能が必要とされています。環境によって必要な遮音性能は変わってきますが、マンションなどの集合住宅は音が伝わりやすい構造となっているため、より厳格な防音対策が求められます。

防音のポイント

オーディオルームやホームシアターを作る場合、以下の点が重要なポイントとなります。

●外部への音漏れや振動を遮断すること
●外部からの音の侵入を防ぎ、快適な視聴環境を得ること
●反射音や残響音などを考慮に入れた音響設計をすること

オーディオルームやホームシアターで迫力ある音楽や映像を楽しむためには、必要な遮音性能を実現し、音場の設定を考慮した音響設計を行うことが重要です。また、壁や天井の内側といった細かい部分の遮音や音響処理も大切になります。これらを実現することにより、近隣に迷惑をかけることなく、快適な音響空間で音楽や映像を楽しむことができます。

音の大きさ

音が聞こえる周波数の幅を可聴域といい、人間の場合は20Hz~20kHzとされています。人間が聞こえるのはこの周波数の音で、これ以外の周波数の音は「超音波」となります。また、大きさが同じ音でも低音と高音とでは聞こえ方が違ってきます。人間が同じ大きさに感じる音の周波数別の曲線を「ラウドネス曲線」と呼びます。そして、周波数別の音を合成した音の大きさは「dB(デシベル)」で表します。

人にとって気にならない音の大きさは状況によって違ってきます。それは自分たちも生活の場から様々な音を発しているためです。下の表は、それぞれの状況で外部から発生する音の気にならないレベルを目安として表したものです。

場所気にならない音の目安
勉強部屋35デシベル
書斎35デシベル
リビング40デシベル
寝室40デシベル
ダイニング45デシベル
キッチン50デシベル

オーディオルーム・ホームシアターの遮音性能の目安

遮音性能音の聞こえ方
D-65通常では聞こえない
D-60ほとんど聞こえない
D-55かすかに聞こえる
D-50小さく聞こえる
D-45かなり聞こえる
D-40曲がはっきり分かる
D-35よく聞こえる
D-30大変よく聞こえる
D-25うるさい
D-20かなりうるさい
D-15大変うるさい

上記から、オーディオルームやホームシアターについては、ピアノルームと同様に最低でもD-50~D-55程度の遮音性能が必要です。

部屋の選択も大切

オーディオルームやホームシアターを作る部屋として、くつろげる空間であるリビングルームを候補に入れる方も多いと思います。しかし、リビングルームはその性質上、快適な音響空間とはなり得ない場合が多いことを理解しておかなれかばなりません。なぜならば、リビングルームには窓が多く、しかも開口の大きい窓が取り付けられていることが多いため、防音対策が大がかりで難しいものとなるからです。また、LDKの作りでリビングとキッチンが一続きの場合、キッチンの換気扇から音が漏れてしまい、そこに防音対策を施せば今度は換気口として機能しなくなってしまいます。音楽や映像を快適に楽しむためには音を外部に漏らさないことが絶対条件となりますが、その環境作りのための部屋の選択は意外に難しいということを理解しておきましょう。

シアター専用ルーム

ホームシアターで防音を重視しなければならない場合は、シアター専用ルームを作った方が理想的です。専用ルームとしては、主に以下の3タイプが考えられます。

①シアター専用ルーム
音響や映像計画を立てる上で目的を実現させるための設計が出来る上、遮音性能やコスト面で有利です。

②楽器スタジオと兼用
シアタールームと楽器スタジオを兼ねる場合は、器材の配置計画の妥協や、器材が増えることにより活用スペースが狭くなるいったデメリットがありますが、防音面での出費は不要になります。

③リビング、寝室などと兼用
防音工事の範囲が拡大することによる工費の増加や、生活する上で二重サッシなどにより使い勝手が悪くなったり、動線が低下するといったマイナス面が大きくなります。また、キッチンなどを含む場合はさらに大がかりな工事となり、コストや遮音性能の面で非常に不利になると言えます。また、サッシやドアなどの開口部だけ防音を強化するといった簡易防音であっても、実用的に使えることを前提としない場合以外はお勧め出来ません。

ボックスインボックス構法

窓には二重サッシというものがありますが、これと同じ原理で、箱の中に箱を造ったものをボックスインボックス構法と呼びます。二重サッシの場合は2枚のガラスの間に隙間が生じますが、オーディオルームやホームシアタールームを造る場合も、壁と壁の間に空気層となる隙間を設ける工事が基本となります。ボックスインボックス構法は、劇場やコンサートホールなどにも採用されていて、この構法を標準仕様として施工する防音工事業者が多くなっています。

防音工事の基礎知識

防音工事の必要性

音が原因で近隣とトラブルになったり、騒音に悩まされるといったケースが非常に多くなっています。このような音トラブルを未然に防ぎ、安心して趣味を楽しんだり日常の生活を営むためには、防音対策が必要です。

防音材の種類

防音材には、遮音材、吸音材、防振材の3種類があります。防音効果を高めるためには、1種類だけでなく3種類すべてを組み合わせる必要があります。

防音工事の区分

住宅の防音工事では、国の定めた基準によって、初めて住宅防音工事を行う場合と、過去に住宅防音工事を行っている場合とに分けられています。

防音工事の助成金

国が指定する防音対象区域内(飛行場、演習場などの周辺区域)に所在する住宅を対象に、航空機の離着陸時の騒音防止や軽減を目的に、国が行っている助成制度です。

防音工事の内容

住宅防音工事の助成を受けるためには、国の定めた基準に従って防音工事を行う必要があります。

遮音性能について

防音工事を行う際に、どの程度の遮音性能が必要かを判断する基準として、JISが定めた遮音性能(防音性能)の評価方法というものがあります。

防音工事のポイント

防音工事を行う上で大切なことは、希望する遮音レベルや生活スタイルを具体的に考え、施工業者と緊密なコミュニケーションをはかることです。

集合住宅の防音工事

マンションやアパートなどの集合住宅は、戸建の場合に比べると、建物の構造上どうしても音が響きやすくなります。初めから防音仕様で建てられている場合を除き、防音工事や防音対策を考える必要があります。

部位別の防音工事

建物によっては、音漏れする箇所に対して部分的に防音対策を施すことで、かなりの防音効果を発揮する場合があります。防音工事で弱い箇所を部分的に強化することが出来れば、その分コストも抑えられます。

ピアノルームの防音工事

ピアノの音は非常に高音質であるため、わずかな隙間などから音が漏れやすいという特徴があります。近隣からの苦情が発生しやすい環境でピアノを弾く場合は、ピアノの防音対策を必ず施す必要があります。

オーディオルームやホームシアターの防音工事

大音量でオーディオを楽しみたい場合など、快適な音響空間を手に入れるためには、音を遮断することが最も重要な要素となります。目標の遮音性能を実現するには、最適な構造や工法で防音対策を行いましょう。

スタジオの防音工事

スタジオやライブハウスを作る場合に最も大切なポイントは、外部に迷惑をかけないこと、そして快適な音響空間を実現させることです。そのためには、防音工事業者によるきちんとした設計・施工が必要です。

工場の防音工事

工場では機械音などの騒音が発生します。近隣と円滑な関係を保つためにも、工場の騒音対策は非常に重要となります。特に大きい工場では天井の高さなども計算に入れる必要があります。

防音工事業者の選び方

防音工事は、非常に専門性の高い工事となります。それだけに、知識や経験の豊富な防音工事業者を選ぶことが重要となります。しかし、必ずしも防音工事によって完璧な防音が実現出来るとは限りません。

防音工事の費用

防音工事では、物件の状態や周辺環境の状況などで工事内容が決まります。そのため、防音工事の費用は見積りを依頼した業者が現場を調査した上で初めて決定します。
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